☆創作☆クロ3
先日、寝る前に、あまりの暑苦しさに押し入れから扇風機を出した。
電気も消えて、月明かりの下、猫が喉を鳴らすような扇風機の羽根の音を聞きながらとりとめもないことを考えていた。
ふと、視界を走るものがあるのに気づき、視線を右斜め上にずらすと、押し入れから出てきたのであろうクロが、壁をコロコロと伝って扇風機の後ろで物言いた気に揺れていた。
「暑いのかい」問うてはみたものの、返事はなく、クロは所在なさ気に、しかし押し入れに戻るでもなく、扇風機の後ろで揺れていた。
少しばかり面白くなり、扇風機の首を振ってみた。クロはビクッと動いた後、今度は扇風機の首の動きに合わせて、壁をコロコロと右へ左へ転がった。
しばらくその動きを見ていたところ、振り子の催眠術の要領なのか、私はとても眠くなった。「クロ、眠るよ」と声をかけたところ、彼もしくは彼女は床にビチャッと落ちて不満を伝えるように伸びた。
「大丈夫、回しておくから」そう言って扇風機を指差し、その動きに合わせて腕を振った。するとクロも一緒になって揺れた。
しばらく二人で揺れたあと、私は眠りに落ちた。
翌朝、何故か扇風機が止まっていて、クロは居なかった。押し入れを開けると、予備の布団の後ろでコロコロと右へ左へ転がっていた。「いつまでやっているの」私が笑うと、彼もしくは彼女は少し楽しそうに跳ねた。
2010年3月21日
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夜中起きていられるのは。
何故でしょう。
昼に抗不安薬の作用で寝るからか。
大好きなカフェイン(珈琲?紅茶?)の作用なのか。
そういう症状なのか。
不思議だなぁ。と思います。