無理矢理一緒に帰った帰り道
いたたまれなくなって「好きな天気は」と君に聞いたら、半ば呆れられて同じことを聞き返された。
あたしはすぐには答えられずに悩んだ。
晴れの日は、廊下の白い壁と青い空、くっきりと濃い影が好きだと言った。
曇りの日は、深く垂れ込めた雲の向こうの陽を思うと楽しくて好きだと言った。
雨の日は、土に砕けた雨粒が土の匂いを窓からもたらすから好きだと言った。
機嫌の悪かった君は少し前を歩きながら……「とても綺麗で好きな表現です」と言った。
あたしはそう言っていってくれる君をとても好きだと思った。
2006.1.11「好きな理由」