SHILISUのすとれーじぼっくす

詩、文章。日記。書いてる人は適応障害。抑うつ状態で休職してましたが復職しました。

☆詩☆水中夢


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音の少ない時間は、水の中にいるような気持ちになる。
まるで水族館の魚になったように。そうでなければ
温かい手のひらで両耳をふさがれているような。
そんな気持ちになる。
水の中で息ができて、喉の奥からぬらりと気泡がもれて。身体の全てが水に溶けるような。そんなカンカクにおそわれる。穴という穴に水が入り、身体と水に境がなくなり、目を閉じていても見えている。
音の少ない時間は、冷たくも温かくもない世界で、私は独り、耳だけを澄ましている。
そこだけが温もっている。

2011/5/11「水中夢」