SHILISUのすとれーじぼっくす

詩、文章。日記。書いてる人は適応障害。抑うつ状態で休職してましたが復職しました。

☆妄想日記☆汐さんの5月8日②

 吉本ばななの作品は主人公に関係する誰かが亡くなっているところから始まることが多い。主人公が天涯孤独なのだ。そして少しスピリチュアル。男女関係はうやむやで付き合うのか付き合わないのか分からない状態でストーリーが終わる。なのでもやもやする人はするのかも知れない。ただ、あたしはそれが、水のようだと常々感じていた。飲料水だ。渇いた心に沁みて、潤して、渇きを忘れることができる。だから時々無性に飲みたくなる、読みたくなる、触れなくなる、溺れたくなる。なので、「吉本ばなな作品は『アムリタ(不老不死をもたらす神々の飲み物。甘露。)』」と作品名からとって表現している。

 

「あたしは今、渇いているのだろうか」

 自問自答しながら、大学頃通っていた喫茶店へと足が向き、階段へと吸い込まれていった。

 

 好きだった窓際の席が空いていた。店員のお姉さんが変わらずにいた。互いに「おや、、、。」という顔をした、に違いない。

 とにかく冷たくて苦い珈琲の好きなあたしは、メニューの「アイスコーヒー」の欄から、テイストバランスが苦みに振り切っているメニューを選ぶ。シロップもミルクもハナから断る。大学時代は途中から提供されなくなったが、今日は提供された。お久しぶりに並べてみた。ガトーショコラもセットで注文する。

 あの頃から変わったのは、自分で煙草を取り出して吸い始めたことだ。