☆詩☆月の下
月の下(いつ書いたかわからない)
祖先たちの戻る、
‥‥あの満月の夜。
「海に行ったらいけないよ、すぐ、ヤナムンにマブイとられるよ」
祖母にも母にも言われた言葉。
あの夜、姉と破った。
「ヤナムンにマブイとられるよ」
響いた声。
あの夜、姉と守った。
「海には触らないでおこうね、ヤナムン怖いからね」
姉と砂浜を歩いた。
高い高い月。
薄い雲。
聞こえる波音は、まるで話し声。
「ヤナムン怖いから帰ろうか」
月の下、身体中に月光を浴びて。
あの夜、姉と歩いた。
「海に行ったらいけないよ、すぐ、ヤナムンにマブイとられるよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ヤナムンは「嫌なもの」、マジムンは「魔物」、大きな違いはわからないですが。マジムンの方が鬼とかで。ヤナムンが霊とかで。という印象です。
マブイは「魂」
旧暦の盆。旧盆ですね。
きちんと迎えてもらえなかった霊が、悪いもの「ヤナムン」になって、生きている人間を海に引きずり込む。
みたいな。
子供だけで海に行くな。入るな。
という、大人から子供への注意でもあるとは思うのですが。
沖縄は未だにしっかり「石敢當(いしがんとう)」とか「シーサー」とかありますからね。
場所によってはフーチゲーシ(悪風返し;疫病返しみたいなニュアンス)とかも。
「すぐ」と「やがて」の使い方が特徴的な沖縄です。
みつけたので、載せてみました。