SHILISUのすとれーじぼっくす

詩、文章。日記。書いてる人は適応障害。抑うつ状態で休職してましたが復職しました。

☆創作☆改 天使のくれたもの2

 頬に冷たさを感じて瞼を開けた。いつの間にか寝入っていたらしい。目の前には、7、8歳の少年がいた。彼は少し前屈みになり、こちらに視線をあわせながら微笑んだ。水滴を弾く瓶を手にしている。
「ごめんね、遅れちゃった」
 言いながら、瓶の栓をあけ、こちらに差し出した。誰だ。僕は少年を見つめた。喉の渇きに負け、瓶を受けとった。
 中身は、さっぱりとしたネクタリンの果汁だった。身体に沁みていく冷たさが心地良い。半分ほと飲んで一息つくと、再び少年を見た。
 少年は僕のことを知っているようだけれど、僕には少年が誰なのか思い出せない。知っているような気はする。あかねに似ているのだらうか。知らないはずなのに、どこか懐かしい。

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画像は先日、行きつけのbarで飲んだ。
桃のノンアルコールカクテルです。
夏は桃果汁のしっかり入った飲み物を好みます。
ただ、十数秒で飲み干す芸当を持っているので。
避けています。