☆創作☆改 天使のくれたもの1
あかねがいない。
もう探し始めてどのくらいになるだろう。彼女の部屋、彼女の好きな公園のベンチ、一緒に行った白い砂の海岸。思いつく場所はどれも探したけれど、彼女は見つからなかった。
正午を少し過ぎていた。アスファルトに降る夏の陽射しは白く照り返って、チカチカと目の裏を刺激する。ふと目の前を駆けていく子供の行方を追いかけた視線は、思いがけない白をとらえた。土煙と砂塵を巻き上げるグラウンドは、陽を浴びて眩しい。
広々と平坦な白さが、瞼に焼き付いたなりはがれない。陽の盛りを歩き回った身体は思った以上に消耗していた。目眩を起こしかけた意識の中、視界に入った木陰を目指した。
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長野まゆみに憧れた高校時代の現代文の夏休みの宿題で書いた創作です。
続きます。